Last update : 2024.07.10

日本医学会連合TEAM事業・日本肥満学会・
日本肥満症治療学会 合同企画シンポジウム
第1部・第2部での追加発言

追加発言

ご氏名 宮下 和季 先生
参画学会 特定非営利活動法人日本高血圧学会
ご所属 国際医療福祉大学 三田病院
ご講演タイトル 「領域横断的な肥満症対策の推進に向けたワーキンググループ」 事業成果報告
略歴
1998年3月 京都大学医学部医学科 卒業
2006年4月 日本学術振興会 特別研究員 (PD)
2007年7月 慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 特別研究助教
2017年4月 同上 特任准教授
2022年 4月 国際医療福祉大学 医学部教授、三田病院内科部長
現在に至る

ご発表内容の要約

肥満と高血圧は密接な関係にあり、肥満合併高血圧患者の血圧コントロールを改善には、減量が大きな効果を発揮する。特に日本人では、減量に伴う降圧の程度が大きいことが知られており (Nutrients 10:1011,2018)、3kgの減量で収縮期血圧5mmHgの低下を期待できる患者も少なくない。降圧を目指した減量に、もとの体重の10%, 20%に及ぶ大幅な体重減少は、必ずしも必要ではない。患者のライフスタイルに合わせて個別化した、持続可能な減量法をこつこつ続けて、じわじわ体重を減らすことで、十分な降圧も期待できる。日本高血圧学会で現在作成中の、高血圧治療ガイドライン2025(JSHガイドライン2025)では、降圧に向けた実践的な減量法の記載を目指している。血圧コントロール率が必ずしも高くない(高血圧患者の27%のみが血圧<140/90を実現, 2016年国民健康・栄養調査)日本の高血圧の現状を打破するためには、「減量により期待以上の降圧も可能である」ことを、国民が十分認識することが重要である。JSHガイドライン2025が、高血圧患者の減量に向けたモチベーションが育み、未来の健康を築くための一助となれば幸いである。